さぬき市議会議員 名倉たけし
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議会報告

平成24年さぬき市議会第2回定例会

一般質問事項

1 東日本大震災のがれき処理について
2 地方交付税の算定について
3 総合特区制度による地方振興について
4 脱「国の基準」による自治体事務の見直しについて
5 自治体職場の無駄10項目について
6 さぬき市の節電対策について
7 職員に対する議員の口利き調査の実施について
8 職員に対する議員の口利き調査の実施について
9 小中学生の留年について
10 PTA会費について


1 東日本大震災のがれき処理について
<質問>
 この前の4月の臨時議会で、市長さんは「震災がれきの受入れ反対を主張するのは非国民だ」というのはよくないという主旨のことを言っておられました。実は、震災がれきについて、私は一年前から一般質問をつくっていました。3月議会の頃、知事さんは、震災がれきの受け入れを表明しました。まだ県内市町では表明していません。震災がれきの問題は、さぬき市政の、そして県政の、国政の政治問題なのです。まだ90%近く残っている震災がれきをどこで処理するのか。日本国内で処理すべきです。外国で処理なんてできません。太平洋の真ん中で捨てることも出来ません。市長さん震災がれきの処理にさぬき市は立ち上ろうではありませんか。
<答弁>
 名倉毅議員のご質問にお答えいたします。
 まず、「東日本大震災のがれき処理について」であります。
 昨年の3月11日に発生いたしました東日本大震災からの復旧・復興が、1年以上経過した現在においても、まだまだ進展していない原因の一つに、いわゆる震災がれきの処理の遅れがあることから、その早期処理の必要性・重要性につきましては、誰もが認識しているところであります。
 一方で、具体的な広域処理に当たっては、がれきを処理した場合の安全性等について、種々の課題が提起されております。
 さぬき市におきましては、現在、2市1町で構成する「香川県東部清掃施設組合」においてごみを共同処理しておりますが、この施設の運営につきましては、これまでの度重なる協議を踏まえた地元住民の皆さんのご理解とご協力により可能となっており、震災がれきの受け入れにつきましても、このことを常に念頭に置き、初めから結論ありきの協議ではなく、安全性や必要性等についての丁寧な説明が不可欠であり、また、ごみ処理には停滞が許されないことから、震災がれきを処理した場合の炉への影響等についても検証する必要があります。
 現時点におきましては、特に安全性についての国や県の基準に対して根強い不安があることから、県独自の取組について協議を行っているところであり、これらも踏まえて、必要に応じて、まずは地元の皆さんに情報提供を行いたいと考えております。
 今後とも、被災地支援と市民の安全・安心が共に図られますよう、引き続き努力してまいります。
2 地方交付税の算定について
<質問>
 今年度の歳入をみますと、地方交付税は9千億円となっています。「喜んでいいのか」「当然だ」と思っていいのかよくわかりません。財政調整制度はよくわかります。「日本国憲法」の下で、日本中同一レベルの行政を行うため、豊かな地方から、税金をとり、貧しい地方へ配付するのは、主旨としては理解しています。そこで地方交付税制度が導入されたのでしょう。しかし、94億円がよくわかりません。どういう算定のもとに94億となったのか。途中計算をもっと、詳しく説明をお願いします。合併して十年もたつと、合併特例的な計算方法から変更となり、減額されると思います。それはどのくらいの額ですか。
<答弁>
 次に「地方交付税の算定について」であります。
 本年度の歳入予算における地方交付税額は94億円であり、うち普通交付税が88億円、特別交付税が6億円となっております。
 普通交付税は、議員ご承知のとおり「基準財政需要額」から「基準財政収入額」を差し引いた額が財源不足額として交付されるものですが、その算定方法は、地方交付税法その他の法令で定められております。
 まず、「基準財政需要額」についてでありますが、これは、消防費、道路橋りょう費といった各行政項目別に、それぞれ「人口」「道路延長」といった「測定単位」が定められており、その数値に「補正」を加えた上で、所定の「単位費用」、つまり単価を掛け合わせた額を合算することにより算定されるものであります。このような方法を用いることにより、基準財政需要額は、各地方公共団体の個別具体的な財政支出の実態ではなく、その団体のおかれた自然その他の諸条件に対応する、合理的かつ妥当な水準の財政需要を公平に表すものとして算定されるものとなります。
 また、「基準財政収入額」については、市民税、固定資産税といった「法定普通税」のほか、利子割交付金、地方贈与税など、地方公共団体における標準的な収入に一定割合を掛け合わせて算定されるものであります。
 なお、平成23年度の算定では、「基準財政需要額」が143億6,300万円、「基準財政収入額」が48億1,400万円であり、差し引き95億4,900万円が普通交付税として交付されております。
 次に、合併特例法に基づき、市町村合併に対する財政支援として行われる普通交付税額の算定の特例、いわゆる「合併算定替」についてであります。
 この制度は、合併年度とそれに続く10か年度は、合併がなかったものと仮定して旧町ごとに算定した額の合計額が、普通交付税額として保障されるものであります。
 さぬき市は、本年度がその最終年度となっており、平成25年度以降は、5年間で、この「合併算定替」による増額分が年々段階的に削減され、平成30年度からは、一つの市である「さぬき市」として算定される額のみが交付されることとなります。
 先ほど申し上げました平成23年度の普通交付税の算定結果は、この「合併算定替」による額であり、仮に一つの市としての「さぬき市」として算定した場合の普通交付税額は、71億3,300万円であります。
 従いまして、大まかに言えば、平成23年度は、合併の特例により普通交付税が約24億円多く交付されていることになり、今後交付税制度が変わらないとすれば、本市においては、平成30年度までに一般財源ベースで同程度の歳出削減が求められることになります。
 合併10周年を迎えた本年度以降、さらに市として成熟していくために、一層の財政健全化に努めてまいりたいと考えております。
3 総合特区制度による地方振興について
<質問>
 「ひと良し、食良し、さぬき良し」を合言葉に、今、さぬき市では多彩に合併10周年行事が繰り広げられています。この合併10周年記念事業の経済効果はどのくらいあるんですか。「東京スカイツリーの開業は何兆円か分からない」と言われています。
 しかし、合併10周年行事をしていても、何か「さぬき市」は元気がないんです。津田銀座と言われた津田町本町も活力がないのです。旧志度町も同じです。これを打破するのは、たった一つです。「総合特区制度」です。(1)国際戦略総合特区と(2)地域活性化総合特区がありますが、さぬき市はもちろん地域活性化総合特区です。規制や制度の特例措置があります。例えば、民間企業が特養ホーム経営に参入できます。もちろん税制上、財政上、金融上の支援措置があります。特に雇用創出の効果を期待したいのです。「何をやるのか」といえば、私も今は、頭がもやもやとして、答えられません。執行部と議会で大いに議論したいものです。そして新しい「地域活性化総合特区」をつくりましょう。
<答弁>
(1)  次に、「総合特区制度による地方振興について」であります。
 合併10周年記念事業につきましては、第一には、定住あるいは交流人口の増加や、さぬき市への愛着感の高揚及び市民参画を通した市民主体のまちづくりの促進といったことを目指しておりますが、当然のことながら、地域経済の活性化など経済面の効果にも期待いたしております。一般的な試算を申し上げれば、事業予算が5,000万円でありますことから、仮に限界消費性向が0.8であると仮定すれば、乗数効果における乗数は5となり、2億5千万円の経済効果が発生することになりますが、これに加えて、市への来訪者の増加等による商工観光業などへの波及効果等も考慮すれば、経済効果はこれ以上になるものと考えております。
 また、今後、自主運営等による事業の継続や発展がなされた場合の地域経済の活性化への影響も小さくないものと思っております。
(2)  次に、地域活性化総合特区による地域振興についてであります。
 これまでの本市における特区制度の活用といたしましては、平成19年度に構造改革特区制度による「さぬきIT人材育成特区」の設立がありましたが、この特区は、その後全国的に展開されたため、平成22年度に解消しております。
 構造改革特区制度の後を受けた現在の総合特区制度のうち、地域活性化総合特区制度は、更に内容を拡充し、地域資源を最大限活用した地域活性化の取組による地域力の向上を図るため、規制・制度の特例措置のほか、税制、財政及び金融上の支援をパッケージ化して、包括的に支援措置を講じるものとなっております。
 特区の主な指定基準として、「包括的・戦略的な政策課題の設定と解決策の提示」、「先駆的かつ実現可能性の高い取組の提示」、「地域の責任ある関与」などが求められており、現在のところ本市では当該基準に合致する取組が見出せていない状況にあります。
 今後は、市民の皆さんをはじめ、企業、各種団体など各界の意見をお聞きしながら、地域振興に関する潜在需要の掘り起こしに努めるとともに、様々な課題の解決につながる有効な制度等の活用に向けた研究を継続し、その一方策として、特区制度の活用可能性についても検討してまいりたいと考えております。
4 脱「国の基準」による自治体事務の見直しについて
<質問>
 地域主権改革関連法が、この4月に成立し、国が省令で定めていた面積や配置といった全国一律の基準をゆるめて、自治権を尊重して、各自治体の条例に委ねる内容です。公営住宅や保育所、養護老人ホーム、介護老人保健施設などが対象です。例えば公営住宅の入居収入基準は月15万8千円以下とされ、全国一律で、単身者は原則対象外だったが、入居案件の決定を自治体に任せるとしました。さぬき市は、どのようにしていますか。また、この地域主権改革関連法に基づいて、さぬき市の行政、市の基準等を変更したところがあれば、すべて報告をお願いします。市民は知りたがっています。
<答弁>
 次に、「脱「国の基準」による自治体事務の見直しについて」であります。
 「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」、いわゆる「地域主権改革第1次一括法」が平成23年5月2日に、また、いわゆる「地域主権改革第2次一括法」が平成23年8月30日にそれぞれ公布され、その大半が平成24年4月1日から施行されております。
 これにより、法令による義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大がなされ、これまで国が決定し、全国一律に義務付けてきた基準、施策等の一部について、地方公共団体が自主的に条例により定めることができるようになったところであります。
 条例に委任されることとなった事項のうち、公民館運営審議会の委員及び図書館協議会の委員の委嘱等の基準につきましては、平成24年さぬき市議会第1回定例会でご審議をいただき、条例改正を行ったところであります。
 また、公営住宅関係では、入居者資格としての同居親族要件及び入居収入基準並びに公営住宅及び共同施設の整備基準が条例に委任されるといった制度改正がなされたところであり、このうち、入居者資格としての同居親族要件につきましては、さぬき市の市営住宅の大半が世帯向け住戸であり、世帯での応募率も高いことから、従来どおり、同居親族要件及び単身入居資格を維持することとし、同じく平成24年第1回定例会でご審議をいただき、条例改正を行ったところであります。
 また、入居収入基準と、公営住宅及び共同施設の整備基準が条例に委任されることにつきましては、従来どおりの入居収入基準及び整備基準を維持する方向で検討しており、今年度中に、これに対応した条例改正を行う予定としております。
 そのほか、様々な基準につきまして、市の条例で定めることとされておりますが、その大半が技術的な事項であり、具体的な内容については、現在、各所管課において検討を進めているところであります。
 これらは、いずれも平成24年度中に行う必要があることから、参酌すべき基準等である政省令の規定や他市町の動向を踏まえ、地域主権改革の主旨を反映し、地域の実情に応じたものとなるよう、対応してまいりたいと考えております。
5 自治体職場の無駄10項目について
<質問>
 地方公務員の意欲を高める職場環境を探っていた、総務省の有識者会議は、机の上にあふれる文書、結論不明確な会議「長時間に及び了承を得るためだけに多数の関係者が招集される、そして結論が明白でない会議」
有識者会議の無駄10項目を列挙します。
(1)電子化されていない紙の文書
(2)必要以上にある机や椅子
(3)打ち合わせや応接がしづらいレイアウト
(4)長く、中身のない会議
(5)コールセンターがなく部署ごとに受けつける電話相談
(6)縦割りによる業務の重複で発生する残業
(7)詳細マニュアルがないため、職員によってバラツキがある業務
(8)複数の課に分散した住民窓口
(9)探し出すのに時間がかかる文書管理
(10)電子マネーを導入しないため窓口で受け取る小銭の管理
以上の10項目です。さぬき市はこういうことは無いですよね。市長さん。もしあれば、早急に是正して下さい。総務省の有識者の方々は、よく行政を見ていますね。さぬき市の有識者会議も頑張りましょう。
<総務部長答弁>
 名倉毅議員の「自治体職場の無駄10項目について」のご質問にお答えいたします。
 ご質問の中でお示しいただきました各項目について、本市の状況と照らし合わせて見ますと、該当するものがいくつか見受けられます。
 例えば、職員数が減少したことにより余剰となった机や椅子、マニュアルがないために生じる職員個々による業務対応のバラツキ、文書管理の不徹底など、まだまだ改善すべき余地は残っていると思われます。
 これまでも、無駄を省き、効率化とサービス向上の両立を図るための行政改革を実施する中で、組織として目標を定めて取り組んできたところでありますが、何よりもまず、業務の改善には職員一人ひとりの意識改革が不可欠であることから、庁内における「改善メモ」の作成及び公表などを通して、業務の改善を進めてまいりました。加えて、今年度からは、取組を全庁的なものとしていくため、全ての部局・課がそろって業務改善に取り組み、それぞれの実績、とりわけ成功事例について庁内で競い合う業務改善コンペを実施することとしており、この試みでは、優秀な事例を表彰するとともに、取組内容を公表して改善のための模範とするなど、職員の積極的な改善意欲を引き出し、効果的に業務改善を進めてまいりたいと思っております。
 今後、財政状況も更に厳しさを増すことが予想される中、ご指摘いただきましたうちの該当項目の是正も含めて、無駄の少ない、より効率的な行政運営を推進してまいりたいと考えております。
6 さぬき市の節電対策について
<質問>
 昨年の東北大震災を発端とした一連の経過の中で、日本の原子力発電が一時とはいえ、すべてストップしてしまいました。今年の夏をどう乗り切るか。国民全員、不安におののいています。そうした中で、高松市長は高松市の節電をピーク時の10%目標にするとの考えを示しました。市長さん、さぬき市はどういう方針で、この夏を乗り切るのか。まず、さぬき市役所内の節電目標をお示し下さい。さぬき市内の産業関連会社等はどういう方針なのか調査をして下さい。産業界が、経営が難しいのであれば、四国電力と交渉して、節電を緩める等の対策をお願いしたい。
<答弁>
(1)  次に「さぬき市の節電対策について」であります。
 まず、「この夏を乗り切るためのさぬき市の方針及び市役所内の節電目標について」であります。
 福島第一原子力発電所の事故の影響を受け、我が国の電力事情は大変不安定な状態に陥っており、現在、四国電力では伊方原子力発電所3号機の再稼働に向けて全力を尽くしているようでありますが、仮に今年の夏においても運転停止状態が継続した場合、電力需給は極めて厳しいものとなり、様々な検討の結果、一昨年並みの猛暑となった場合は、現状で考えられる全ての供給対策を織り込んでも予備率はわずかなプラスに留まる見通しとのことであります。
 また、高稼働が続く火力発電所のトラブルや予想を上回る高気温といった不確定要素もあり、不測の事態が発生すれば供給力不足となる可能性もでてきております。
 こうした厳しい需給見通し等を踏まえ、先般開催された香川県市長会では、各市において、10%程度を努力目標に節電に取り組む申し合わせが行われたところであり、さぬき市におきましても、積極的な対策を講ずる必要があるものと考えております。
 市役所における節電対策につきましては、従来からの夏の節電対策として、室温を28度に設定するなどしてきた結果、本庁及び各支所の電力消費量は、平成23年度においては22年度と比較し9.7%の減となっております。
 本年におきましては、冷房設定温度28度を厳守するほか、更なる節電対策として、来庁者の皆さんや職員の協力を得て、冷房運転時間を1時間程度短縮することや、会議等でやむ得ない場合でも、会議終了後は直ちに冷房運転を中止するなど、一層の節電に努めてまいりたいと考えております。
 また、執務室以外の照明器具を3分の1程度消灯するとともに、反射板等の清掃を徹底し、現在の照度を可能な限り確保したいと考えております。
(2)  なお、市内の産業関連会社においては、既にそれぞれ独自に対策をとられていると思いますが、市といたしましては、今後の事態の推移を注視しながら、地域経済に及ぶ影響ができるだけ少なくなるよう、関係機関と連携し、必要な情報提供などの支援をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今回の電力危機といっても過言ではない状況は、産業界も含め、国民全体で乗り切らなくてはならない課題であると認識しておりますので、可能な限りの努力をする所存であります。
7 職員に対する議員の口利き調査の実施について
<質問>
 市議会について、議会について、委員会について、地方自治法に詳しく規定されています。ところが、市会議員の中には、錯覚して、市職員(部長、課長、係長等)を指揮、監督できると思っているのか、会派室に頻繁に出入りしているようです。議員はあくまでも、議会で市長を追求していくべきです。しかし、議員が市職員に働きかけることは、すべて違法だとは認識していません。市民が、市職員と話をするとき、どうしても市民の方は劣等感を持ちます。市職員は専門職だから。そばに市会議員が座ってくれているだけで安心感を持つようです。こうして「口利き」ということが始まるのです。国においても鈴木宗男元衆議院議員が外務省の関連事業で圧力をかけていたとの疑惑をうけ「対応が困難な働きかけは大臣等に報告する」と決めました。福田内閣では「官僚と議員との接触は原則禁止」と法改正をしました。民主党政府は「接触記録を保存、公開する」としました。地方でも議員からの要望を記録、公開する制度が始まっています。さぬき市はどうしていますか。市会議員の要望、口利きはすべて文書化して市長決裁して市民に公開して下さい。
<答弁>
 次に、「職員に対する議員の口利き調査の実施について」であります。
 職員は、その職務に関して市議会議員をはじめ外部から要望・提言・苦情等の働きかけを受けることがあります。
 ご指摘のように、外部からの要望があった場合、公式若しくは公開の場でなされたもの又は書面によりなされたものを除き、要望者の氏名、内容、行政の対応等を記録する基準を設けて、組織として適切な対応を図るとともに、それらの内容を市民に公表することにより、公正で開かれた市政を推進しようとする地方公共団体があることは承知しております。
 さぬき市におきましては、現在のところ、不正・違法な要望・提言・苦情等の働きかけが見られた場合には上司に報告し、必要に応じて警察や市の顧問弁護士等と協議しており、これまで特段の支障は生じていないと考えておりますが、言うまでもなく、「無理が通れば道理が引っ込む」ことは、あってはならないことであり、また、職員への過剰な負担は防ぐ必要があることから、今後、ご提案いただいた制度を既に実施している事例の実効性等について十分検討してまいりたいと思います。 
8 生活保護受給者の扶養義務者の調査について
<質問>
 日本国憲法25条は「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定しています。だから、国民は生活が成り立たなくなり、食べていけないのであれば、生活保護を申請する権利があります。
 しかし、まず第一に扶養義務者がおれば、その扶養義務者が面倒を見なければなりません。民法は「直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務がある」と規定しています。お笑いの有名なタレントは年収5,000万円の収入があるのに「実母は生活保護を受けていた」とマスコミで報じられました。生活保護の申請があると、まず徹底して資産調査をすること、日本中の銀行全て行うこと。次は扶養義務者を調査して、面会すること。そして、被扶養義務者に送金することを命令すること。今、さぬき市ではどういう実務をやっているのか。一定の厳しいルールを作っていないと、大阪のように生活保護難民がやってきますよ。
<健康福祉部長答弁>
 名倉毅議員の「生活保護受給者の扶養義務者の調査について」のご質問にお答えいたします。
 生活保護制度につきましては、厚生労働省によると今年2月時点で全国での生活保護世帯が152万1,484世帯、受給者数209万7,401人となり、過去最多を記録し、東日本大震災等の影響で今後も受給者数は増加傾向が続くものとみられております。
 生活保護申請を受理した場合、職業や居住地の履歴等を聞き取りの上、生活保護法第29条に基づき、各県の金融機関、保険会社等へ資産状況の確認調査を行うと共に戸籍等により判明した扶養親族に対し、扶養能力調査を実施し、支援できる範囲を確認しております。
 また、雇用保険法や国民年金法等の他法令の制度による支援、援助ができるかどうかも確認し、極力その利用に努めております。
 さらに、生活保護認定後、他法令や遺産相続、保険金等の収入が確認できた時点で、収入額全部の生活保護費の返還を求めると共に収入金額によっては保護の停止又は廃止を実施しております。
 ご質問のありました、扶養義務者につきましては、民法第877条において「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。」と規定されておりますが、一方で、厚生労働事務次官通知では、「要保護者に扶養義務者がある場合には、扶養義務者に扶養及びその他の支援を求めるよう、要保護者を指導すること。また、民法上の扶養義務の履行を期待できる扶養義務者のあるときは、その扶養を優先させること。この民法上の扶養義務は、法律上の義務であるが、これを直ちに法律に訴えて法律上の問題として取り運ぶことは扶養義務の性質上なるべく避けることが望ましいので、努めて当事者間における話合いによって解決し、円満裡に履行させることとして取り扱うこと。」と、さらに厚生労働省社会・援護局長通知では、「当該扶養義務者にも自分の生活を維持しなければならない、生活保持義務がある場合においては、扶養の可能性が期待できないものであり、当事者間の関係並びに関係親族における扶養に関する特別の事情の有無を判断すべきものである。」とされておりますことから、扶養義務を強制することはしておりませんが、さぬき市内に扶養義務者が居住されている場合には、面談して、扶養を依頼しております。
 また、市外の扶養義務者には、郵送で扶養義務者の資産や扶養能力、扶養の意思等の可否について回答を得ている状況であり、生活保護認定後も適宜、扶養義務調査を行っており、生活保護制度に基づき、適切な生活保護事務を進めております。
 なお、さぬき市における本年4月末現在の生活保護法の被保護世帯数は178世帯、被保護人員は243人、保護率は約4.7パーミルでありますが、扶養義務者の中には、被保護者に毎月送金している方、また、お米等の現物支給をされている方、さらには定期的な訪問や病院等への送迎等の精神的な支援をされている方も多数おいでになります。
9 小中学生の留年について
<質問>
 橋本大阪市長は、学力レベルが目標に達しない小中学生を「留年」させることを検討するように市教委に指示しました。留年で学力は本当に伸びるのか。留年のコストは誰が払うのか。市長さん、教育長にお聞きします。
(1)小中学生の留年について、賛成、条件付賛成、反対
(2)留年は子供の成長にとってプラスになると思うか
(3)過去に「義務教育においても留年制度があってもいいのではないか」と思ったことがありますか。
私も結論は出していません。留年をやらないと学力の低下は避けられない。再履修の仕組みをどうするのか。子供には心に深い傷を残すのではないか、机上の勉強だけの尺度で心を育めないのではないか。市長さん、教育長さんのお考えを聞かせて下さい。
<答弁>
 次に、「小中学生の留年について」でありますが、小中学生の留年制度につきましては、まさに義務教育の根幹にかかわるものであり、まずは専門的見地から、教育委員会において十分に研究していただいた上で、その制度設計等について共に議論してまいりたいと考えております。 
<教育長答弁>
(1)  まず、「小中学生の留年について、賛成か反対か。」についてであります。
 学年の進級の認定については、学校教育法施行規則第57条に「各学年の課程の終了の認定は、児童・生徒の平素の成績を評価して行う。」とあり、最終的に進級の認定は、校長であると定められています。
 また、特に小学校の進級認定については、平成5年の神戸地裁の判例に、「小学校においては、年齢により、精神年齢、運動能力、体格等心身の発達に大きな開きがあり、年齢別の教育が最も適する。小学校教育の目標達成には、同じ社会生活・日常生活上に経験を有する同年齢の児童ごとに教育することが必要である。」ともあります。
 ご指摘のとおり、児童生徒の学力は、単にペーパーテストの成績といった簡単な尺度で図れるものではなく、精神的・身体的な発達も加味した総合的な成果だと考えます。
 このようなことから、小中学生の留年につきましては、全面的に賛成するものではありません。
 また、小学校においては、昨年度から、中学校においては本年度から、新指導要領に基づく教育実践が全面実施されていますが、新しい指導要領では、スパイラルに学力を付けるということが強調されております。新しい単元に入る際に、前の学年での履修内容を復習し、学習が終わったところで、その単元での総まとめとして履修内容を復習する、そういった学習の流れを教育課程の中に組み入れていくことが求められており、指導要領の趣旨に沿った学び直しを着実に行うことで、留年という手段を取らずとも、総合的に学力を付けていくことは可能であると考えます。
(2)  次に、「留年は、子どもの成長にとってプラスになると思うか。」についてであります。
 上の学年に進み、スパイラルな学習過程による学び直しを行う中で、前の学年で習った時は曖昧だったことが、その後の学習や多様な教科内容を理解したことでわかるようになったということもございます。また、ご指摘のとおり、留年するということで、メンタル面において、子どもの自尊心が深く傷つくということもあります。このことによる仲間はずれやいじめ等が発生することも考えられます。
 このようなことから、留年させることによって得られるプラス面よりも、マイナス面の方が多いのではないかと考えております。
(3)  次に、「過去に『義務教育においても留年制度があってもいいのではないか』と思ったことがあるか。」についてであります。
 現行の教育制度でも、「原級留置」制度はあります。昭和28年に出された初等中等局長の回答では、「義務教育諸学校でも、校長が平素の成績を評価の上、進級が適当でないと認めた時は、原級に留め置くことができる。ただし、この場合にも保護者の就学義務は延長されない。」とあります。ただ、原級留置の措置が適用されるのは、入院等で当該学年の学習の定着が十分図れなかったような場合であり、保護者からも当該学年の学習内容を進めて欲しい等の要望があった場合のみであると認識しています。
10 PTA会費について
<質問>
 PTA会費については、議会というよりも、教育委員会で議論してほしいのです。ただ、あまりにも毎日、新聞を賑わせています。都道府県や市の監査で指摘されています。香川県でも「教職員の県外出張旅費について」指摘されています。さぬき市ではどうなっているのか。行政が予算を余りつけないのではないのか。学校経費は設置者負担が原則。標準的な学校経営のための費用は地方交付税で措置されているのではないか。さぬき市の学校についての地方交付税はいくらか。その交付税額が予算に反映されているのか。日本の教育予算は国際的にも低水準。教育機会の均等は行政の責務である。市長、教育長のご意見を聞かせて下さい。
<答弁>
 次に「PTA会費について」のお尋ねのうち、「学校経営に係る地方交付税措置額と市の予算額について」であります。
 地方交付税の算定につきましては、各自治体における標準的な経費を「基準財政需要額」として積み上げていくもので、さぬき市の場合、平成23年度の養育費のうち、市・中学校及び幼稚園に係る基準財政需要額は、8億1,087万4千円となっております。
 これに対する市の予算額につきましては、平成23年度当初予算における市・中学校及び幼稚園に係る管理費、教育振興費、給食費の合計が12億4,444万3千円で、うち一般財源ベースでは、9億3,194万2千円となっております。
 なお、この数字には、学校建設費などの投資的経費は含めておりませんが、ここ数年は学校再編や耐震化など、学校教育施設の整備・改修等に多額の事業費を必要とするため、合併特例債など、交付税措置の有利な地方債を活用するほか、平成22年度には教育文化振興基金を設け、将来の財源不足に備えているところであります。
 今後とも、厳しい財政状況の中ではありますが、将来を担う子どもたちのため、必要な予算については適切に措置し、教育における行政の責務を果たしてまいりたいと考えております。
 なお、ご質問のうち、「小中学生の留年について」及び「PTA会費について」の教育委員会に関係するものについては教育長から、「自治体職場の無駄10項目について」は総務部長から、「生活保護受給者の扶養義務者の調査について」は健康福祉部長からそれぞれ答弁させていただきます。
<教育長答弁>
(1)  次に、「PTA会費について」お尋ねのうち、
 まず、「教職員の県外出張旅費について、さぬき市の状況」についてであります。
 県費負担教職員の県外出張につきましては、香川県は「職員等の旅費に関する条例」に基づき、県費で対応することとしています。
 市内の全小・中学校PTAにおきましては、各PTAとも、PTA会計の「研修費」等の中に、「旅費」という費目がありますが、この「旅費」は、例えば市P連総会、県P総会、県P指導者講習会等のPTA関連の行事へ参加するPTA会員の出張に対する「旅費」であり、県費で対応すべき教職員の県外出張等、県費で対応すべきものは含まれていません。
 ただ、県外出張に係る「参加費」や「資料代」については、支出している学校が数校(6校)見られました。これらについては、PTA会員の一員である教職員の研修に還元するという意図があり、各校とも、PTA会長をはじめ、本部役員と合議し、総会において用途を明確に示した上で、全会員の承認を得て執行をしております。
(2)  次に、「地方交付税で措置されている学校経営の経費について、学校での支出の実態」であります。
 ご指摘のとおり、学校経費につきましては、教育基本法第16条「国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない」とあり、地方財政法施行令第43条には、(市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費)として「市町村立の小学校及び中学校の建物の維持及び修繕に要する経費」とし、設置者負担が原則とされています。
 さぬき市においても、平成23年度交付税基準財政需要額では8億1087万4千円となり、市の予算措置では9億3194万2千円を計上し、学校経営がスムーズに行えるよう財政措置をしており、各校とも配分された予算額を有効適切に執行して学校運営を行っているところであります。
 ただ、さらに豊かな心を育てるための学校独自の取り組み、例えば学校菜園での野菜の栽培・収穫や、校内に花壇やプランターを設置して花を育てる等の環境美化活動に関わる経費、また、たくましい体の育成に関連して、運動会のPTA種目にもなる大縄飛びの縄や、昼休みに子どもたちが遊ぶためのボール等については、PTA会計で「環境整備費」として計上し、ご協力いただいている場合もあります。
 各校とも、PTA本来の目的である学校教育の支援のために、PTA会長をはじめ、本部役員と合議し、総会において用途を明確に示し、全会員の承認を得た上で執行しております。
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