政治は私たちの問題ネットワーク

◆◆◆みどりの風 NO.1 (創刊号)◆◆◆
1999.4.29
「みどりの風」発刊にあたって
 すべてはベルリンの壁の破壊から始まった。それまでの国際政治の基調は、米ソの対決、資本主義対共産主義の対立であった。私たちは、この冷戦の終結の意味するものがわからなかったし、事の重大さに思い至らなかった。しかしそれ以後、世界では、次々と共産主義政権が瓦解していった。
 この国際政治の激動は、やがて日本の政治にも影響を及ぼした。50年体制を維持しつづけた自民党政権が、その座を細川首相の「日本新党」にあけわたし、日本中に旋風がまきおこった。 人々は彼に期待した。何かが始まるのだ。「良い政治」が始まるのだ。しかし、彼らには冷戦終結後の世界や日本に対する深い洞察力と、明確なビジョンがなかった。そのため自らの理想を実現することなく、政治資金疑惑の中で不本意にも退陣に追い込まれた。
  以後の日本の政局は短命内閣に終始し、混乱と停滞が続いている。しかも、経済において政策不況といわれる戦後最大のデフレ経済に直面している。また社会的には、教育が破壊し、かつてない特異な事件が多発している。
  戦後50年有余年、日本は敗戦国から経済大国にまでのぼりつめた。しかし、様々な矛盾の中、あらゆるシステムの変更をせまられる中、アングロアメリカともヨーロピアンとも違う第3の道を模索し、平和で豊かな社会を創造する責務が私たちに課せられている。  私は日本中に希望に満ちた「みどりの風」を送りたい。風は空気のよどみを消し、また新しい風を呼び。次々と風は風を、雲を、雨を呼んで、日本の上にたちこめた政治・経済・社会の混迷を救ってくれるものと信じている。
  みなさん、共に風をおこしましょう。

政治は私たちの問題ネットワーク設立趣意書
(政治を客観的に身近な問題として考える会)
 私は平成9年3月津田町町議選に女性として初めて当選した名倉美登里(みどり)と申します。
政治のことは西も東もわかりませんでした。ただ「外交、防衛、税金等は政治と密着な関係にある」ては知っていました。
 この世界に入ってみると外交、防衛どころか医療、年金、環境問題などすべて政治と裏表一体となっています。ただ、みんなあまりにも主観的に政治をとらえ、政治と私たちの生活を別の次元のものと考えていることが気になって仕方ありません。もっと政治を客観的にしかも身近な問題としてとらえて、同じ土俵の上で建設的に議論することが必要ではないでしょうか。
 そう考えて「政治は私たちの問題ネットワーク」(政治を客観的に身近な自分たちの問題として考える会)を立ち上げることを決意しました。しかしこれはあまりにも難しい問題だと思います。人はみんな顔、形が違うようにものの考え方が違います。
 私たちはみな誰も「幸せな一生を全うしたい」と思っています。しかし地域や世代やいろいろな意見によって利害の対立があります。それこそ「政治現象」であり、だからこそ「政治」が必要なのです。
 私は次のことを提案します。

  1. 他人の意見や考え方を最後まで聞くこと
  2. 自分の意見や考え方とどこがどのように違うか。またその差異はどこからきているのかを考えること
  3. 自分の存在が過去、現在、未来の中で、またその地域の中でどのような存在である、どのような役割を担っているかを考えること。
 そして自立した「市民」として成長していかなければなりません。国会や地方議会をみていると、「私たちの国に本当に民主主義は育っているのだろうか」と疑いたくなります。
 今、日本をとりまく情勢は大きく転回しようとしています。昭和初期の金融恐慌と酷似してきました。第一次世界大戦に勝ち大正デモクラシーを謳歌した日本経済も課題な供給力をもちデフレギャップに悩み大不況、デフレ経済に突入しました。そして関東大震災が起こり、やがて戦争へと突き進んできました。
 現在バブル経済が崩壊し、それを追撃するかのように阪神大震災がおこり政治家の失政によりデフレスパイラルという戦後最大の不況のさなかにあります。日本経済はどうなるのでしょうか?
 こうした問題を市民レベルで勉強し議論しようではありませんか。

みどり政経塾開設にあたって
 アヘン戦争から10余年、中国大陸が世界の列強の餌食にさらされようとしている頃、1853年ペリーが浦賀(神奈川県)にやってきました。日本に友好と貿易を求める国書を携えて、実は開国を要求してきたのです。そして否応なく我が国は国際舞台へと引きずり出されることになります。それからの日本は明治維新へと大きく体制を変革してゆくことになりました。現在の日本はある意味で同じ状況に置かれているように思われます。
 あの先の世界大戦における敗戦を克服するために、営々と脇目もふらずに自国の富国のみを求めてきました。そしてそれは成功したかに見える今日、世界は、今日本に第二の開国を求めているのです。そして国際社会での日本のあるべき姿が問われています。それはまたこの国自身を正すことでもあります。
 あの時代、吉田松陰、高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛といった数多くの天才が時代を予感しリードし日本の近代社会への扉を、奇跡的な形で開いてくれました。
 あの時代と現在の違いは、彼ら天才ではなく一人一人の市民が民主主義のもと政治や経済や文化をよく勉強し理解し、権利と義務を正しくわきまえ、その使命をしっかりと担うことによって、新しい市民の時代を創出することではないでしょうか。
 そのために微力ながら、政経塾を開設し知識を広め公平な判断力、柔軟な精神を養い、地域の発展に尽くしたいと思います。
●第1回勉強会 2月14日(日) - 日本経済再生論
●第2回勉強会 3月14日(日) - 明日の日本の政治の座標軸はどうあるべきか
●第3回勉強会 4月29日(木) - 日本の地方自治の理想と実現
●第4回勉強会 6月20日(日)予定 - 日本の社会保障について内容は次号から連載します。
(7月から高松地区も開放します)


政治は私たちの問題ネットワーク
代表世話人:名倉みどり
〒769-2402 香川県大川郡津田町鶴羽2176
TEL/0879-42-3339 FAX/0879-42-3359

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